土佐犬の特徴
筋肉質な骨格で、皮膚は噛まれてもいいようにと大きなしわができるほどたるんでいます。頭部は大きく、ストップははっきりしており、角張ったマズルをしています。垂れ耳で、しっぽも太く垂れており、断尾はしません。
JKCジャパンケネルクラブのスタンダードでは、体高は最低サイズで示されており、オス60cm以上、メス55cmとなります。そのほかの犬種団体では体重で大型・中型・小型と3段階に分けられることが多いようです。小さな土佐犬で30kg程度、大きなものは100kgを超えることもある大型犬です。
土佐犬の性格
飼い主に対しては従順でおとなしいものの、ほかの人には心を許しません。
縄張り意識が強いため番犬には向いていますが、ほかの犬と仲良くするのは難しいようです。
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土佐犬の歴史
ニホンオオカミに似た姿の中型犬の四国犬は、かつて土佐犬と呼ばれていました。現代では土佐犬と言えば大型の闘犬種である土佐闘犬を指しますが、実は土佐闘犬にも四国犬の血が流れています。外貌ではまったく似ていない2つの犬種ですが、飼い主に対しては徹底的に忠実で、負けん気の強い犬であることは同じです。自分より大きくどう猛な猪に勇敢に立ち向かっていく四国犬のその気質を尊重し、闘犬として育種を進めたのが現在につながる土佐犬の姿です。
高知・土佐藩が闘犬を始めたのは14世紀頃、この当時はまだ土佐闘犬(以下、土佐犬)は現在のような大きな姿をしていなかったものと推定されています。
土佐犬の大型化は江戸時代末期から明治頃、海外から犬を輸入するようになってから始まりました。交配に使われた犬はオールドイングリッシュマスティフやブルドッグ、セントバーナード、ジャーマンポインター、ブルテリア、グレートデンなど、外国でも闘犬としての歴史があったり、大きな体をしていたりという個性の犬たちでした。中でもマスティフは現在の土佐犬にもその容姿を色濃く残していることから、海外での土佐犬は「ジャパニーズ・マスティフ」との別名もあります。現在はレッドの毛色が圧倒的に多い土佐犬ですが、昭和の始めころまでは虎毛も少なくなく、白が入った犬もいたそうです。虎毛や黒毛は現在も標準の毛色になっていますが、出生数自体が少ないとされています。
闘犬はイギリスをはじめとする動物愛護の先進国では19世紀には禁止となりましたが、日本では禁止されていません。そのため、土佐犬は繁殖犬の選定において、ペットとして飼いやすいかどうかではなく、強い性質であるかどうかを考慮に入れて行われます。闘犬の是非については日本国内でも議論が続いていますが、闘犬の素質を残そうとする限り一般家庭での飼育は難しく、実際に飼い主の力不足や不注意から重大な咬傷事故もたびたび起きています。このままでは闘犬である以前に犬種の保存が難しくなりかねない側面があり、危機感を抱いた愛好家や育種家、関係者によって、正しい飼育管理方法の啓蒙が行われるようになりました。
強い犬を作るため現在も他犬種との交配をする人がいるようですが、純血種として土佐犬の保存を念頭に置いている団体では、ピットブルなどとの交配を禁止しています。また、異種交配が行われている犬を3代以内にもつ血統では、血統書が発行されることはありません。歴史的な混血のいきさつからも、現在の土佐犬は純粋な日本犬とは認められないのです。
なお、土佐犬は特定犬種として、区市町村に対して犬舎の大きさや飼育場所などの届け出が必要となる場合が多くあります。
土佐犬の飼い方
土佐犬は大型~超大型になる犬で、体に見合った運動量が必要です。散歩は最低でも1回1~2時間、1日2回以上求められます。警戒心が強く防衛意識があり、通りすがりの人や動物に大きく反応することがあるため、散歩は人のいない場所や時間帯を選んで行いましょう。また、そのような環境にない場所では飼育すべきではありません。飼い主のずさんな管理で、人や犬を襲う事故がたびたび起きている犬種であり、例え海山の人が来ない場所でも、放し飼いでの散歩は絶対にしてはならないことです。
土佐犬は初めて犬を飼う人には向きません。また、甘やかしがちな人では、飼い主自身や家族が危険にさらされることになります。しつけはしっかりと行う必要があり、特にリードを引かないことや、飼い主の命令ひとつでどんなに興奮している時も抑えられるように訓練が必要です。しかし、虐待的な訓練では犬との信頼を損ね、かえって扱いにくい犬になります。ですから、土佐犬の飼育は非常に難しいのです。犬のために十分な時間と経済力、マナーや倫理観など高い意識が求められます。
成犬は子どもや小動物と一緒に過ごさせるべきではありません。
土佐犬の毛色
レッド(赤毛)、アプリコット(淡赤毛)、フォーン、ブラック、ブリンドル(虎毛)。胸や足に白い部分が多少出ることがあります。
土佐犬の気を付けたい病気
大型犬に起こりやすい股関節・肘関節の形成不全は、若犬の頃から注意しておく必要があります。歩き方がおかしいと感じたら早めに受診をしましょう。
土佐犬は大型で、胸の深い骨格と長い腸になりますので、胃捻転や鼓腸症には注意が必要です。大きく育てたいあまりに食事をドカ食いさせることは危険です。消化がよく栄養価の高い食事を選んで、1日2回以上に分けて与え、食事の後は落ち着いて過ごさせるようにしましょう。
この他に眼瞼内反・外反、心臓疾患などにかかることがあります。
土佐犬の里親募集
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