ボストンテリア Boston Terrier
ボストンテリアはホワイトが入っているスムースコート、がっちりとした筋肉質でありながらスリムな体型です。
尻尾は短く、立ち耳の小型犬です。
顔立ちはブルドッグの系統ですが、性質やプロポーションはテリアの影響が強く出ています。
ドッグショーなどに出展する場合、体重は6.8kg未満、6.8~9kg未満、9~11.35kgの3段階に区分されています。
ボストンテリアの性格
ボストンテリアは優しく快活な性格で、知らない人や犬にも上手に接します。
飼い主の雰囲気を敏感に察知する繊細さがあり、時にやきもち焼きな一面も見られます。
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ボストンテリアの歴史
アメリカを原産国とするボストンテリアは、2012年には本国アメリカで12000頭以上、日本でも1600頭以上が登録されている、人気の小型犬種です。
今や世界中で愛されているボストンテリアは、たった4頭の犬たちから始まりました。
そしてそのすべての祖先たちの記録がたどれるほど、ボストンテリアの歴史は新しいものです。
今からおよそ150年前の1865年頃のアメリカ・ボストン市周辺で、白いイングリッシュ・テリアとブルドッグを交配して生まれたジャッジという名前の犬がいました。
ジャッジは体重がおよそ15kg(32ポンド)、体格のがっちりした中型サイズで、白地にブリンドルという現在のボストンテリアと非常によく似た外見を持っていました。ジャッジをベースに約9kg(20ポンド)とサイズの小さい白いメス「ジップ(別名ケイト)」を交配し、生まれたオス犬「エフ」は約13kg(28ポンド)になりました。さらにエフはブリンドルの毛色で体重約9kg(20ポンド)の「トビンズ・ケイト」と交配されて、生まれた子犬たちがボストンテリアの基礎になりました。現在世界中で愛されているすべてのボストンテリアは、ジャッジ、ジップ、エフ、ケイトとその子犬たちがルーツなのです。
この時代はまだ闘犬が行われていたため、祖先犬ジップは闘犬として作出され、ブルテリアの血を引いていたようです。その後、ジップが種オスになってまもなく闘犬が禁止され、ボストンテリアの作出は愛玩犬化に舵を切りました。小型化の過程で愛玩犬を交配することによって闘犬の血は薄れ、ボストンテリアは「タキシードを着たアメリカ紳士」と呼ばれる、優しく身ぎれいでスマートな犬になりました。
アメリカンケネルクラブは当初、この犬種の登録に慎重な立場を取っていました。ジップの交配から数えて20年にも満たずに作出されたため、あまりにも時間が短く、固定化のために十分でないと考えていたのですが、関係者の努力により1893年にボストンテリアとして正式に登録されることになりました。
現在ではアメリカを代表する犬のひとつであり、ボストン大学のマスコットでもあります。
ボストンテリアの飼い方
ボストンテリアは活発で遊び好き、運動も好きなので、ドッグスポーツにチャレンジするのもよいでしょう。太りやすい体質のため運動は大切です。散歩は1日2回、各30分以上おこないます。
しかし、短頭種なので、過剰な運動や気温・体温の上昇で呼吸困難にならないよう注意が必要です。
愛玩犬の優しさと、飼い主オンリーのテリア気質の両方を持ち合わせています。
スキンシップが不足すると構ってほしさから、逆に構いすぎると飼い主への依存心の強さから、好ましくない行動を起こしてしまうこともあります。
子犬のころからしつけやコミュニケーションを通して、落ち着いた犬に育てていきたいものです。
短毛のため被毛の手入れは楽ですが、暑さに弱いので、抜け毛はこまめに取り除いてすっきりと風通しをよくさせてあげましょう。
ボストンテリアの毛色
ボストンテリアはブリンドル、ブラック、シールブラック(赤みがかった黒)に、ホワイトが必ず入っていることが大切です。
ボストンテリアの気を付けたい病気
短頭種のかかりやすい疾患として、口の中で上あごの肉が垂れ下がってくる軟口蓋過長(なんこうがいかちょう)、外鼻道狭窄(がいびどうきょうさく)などの解剖学的構造による「短頭腫気道症候群」があげられます。肥満により症状がひどくなることがありますので、体重管理はきちんとしてあげましょう。「ふがふが」「がーがー」という呼吸音がいつもより大きいなと思ったら、早めに動物病院で相談しましょう。
暑さには弱い犬種のため、夏の散歩の時間帯や温度管理には十分注意が必要です。
肥満細胞腫の好発犬種であり、中年齢以降の発症が報告されています。見えるところにある腫瘍は、小さいうちなら切除することも可能なので、放置せず受診するようにしましょう。
中高齢以上で脳腫瘍の発生率が高いことが報告されており、てんかんのような神経発作や、クッシング症候群の原因となることもあります。
ボストンテリアは白内障の好発犬種でもあり、早い犬では4~5歳から発症するとされています。
近年では症状の進行を抑える目薬などがありますので、早期発見が大切です。
また、紫外線が目を直撃しないよう目への刺激に対しても工夫をしてあげたいものです。
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