ビーグルの特徴
ビーグルは短毛で垂れ耳、中ぐらいの長さの口先を持つ、骨太でしっかりした体格を持つ中型犬です。
最大の特徴は、大きく太くよく通る吠え声です。
日本では理想体高を33cm~40cmとしていますが、アメリカでは大小2段階のサイズが犬種標準で認められています。
ビーグルの性格
ビーグルの狩りは同じビーグルたちが集団で、鳴き交わしながら獲物を追うというスタイルです。
このため、他犬にはフレンドリーで、争いを好みません。
用心深さと大胆さの両面を持ち合わせています。
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ビーグルの歴史
のほほんとしたキャラクターで知られるスヌーピーは「世界一有名なビーグル犬」ですが、ビーグルはハウンドドッグであり、もともとはたくましい猟犬です。ハウンドドッグの中で最も小さく、14~15世紀ころからウサギ狩りに使われてきました。ビーグルは、13世紀ころから存在しているとされるハーリアや、ハーリアの祖先犬とされ11世紀ころから使われてきたイングリッシュ・フォックスハウンドの血を引いていると考えられており、容姿と毛色だけを見れば互いによく似ています。
イギリスの小説「カンタベリー物語」に、著者チョーサーにより記述されている犬もまたビーグルであるとされていますが、物語の中では「小さなハウンド犬」と書かれ、ビーグルという名前になったのは16世紀頃のこととされています。
エリザベス1世女王は、所有していた小型の猟犬たちを「歌うビーグルたち」と呼び、ジェームス1世は彼の妻に宛て「親愛なる小さなビーグルへ」という書き出しで手紙を書いていたと伝えられています。
名前の由来は諸説あり、フランス語やケルト語で「小さい」という意味、またフランス語で「大声を出す」という意味もあるとされています。
これとは別に、17世紀頃のアメリカにも、ビーグルと呼ばれる名前の犬がいました。この犬はバセットハウンドのような姿をしており、バセットよりも足が長いことで、イギリスのビーグルたちといくらか似たような外見ではあったようです。
しかし、1860年頃にアメリカにもビーグルが輸入されるようになると、アメリカでもたちまち人気の犬となり、アメリカに在来していたビーグルたちの人気に取って変わってしまいました。
以降、ビーグルはアメリカンケネルクラブの登録数ランキングのベスト10入りが続く、人気の犬種となって現在に至っています。
原産国のイギリスでも大変多くの愛好家たちがおり、ドッグショー以外にも、本来の役割である猟犬としての能力を審査する「ワーキング・セクション」というイベントが行われ、犬質の向上を図っています。
ビーグルの飼い方
ビーグルは体の大きさの割には、かなりの運動量を欲する犬種です。できれば1日1時間以上の散歩をしてあげたいものです。運動不足では太りやすくなります。
嗅覚を利用して獲物を追いかけるハウンドドッグですので、散歩中などに匂い取りを始めると、夢中になってその場にしがみついてしまうことがあります。
子犬の頃から、制止をよく教えておくのが良いでしょう。
平和主義者で、飼い主にも家族にも大変愛情深いですが、休息の場である室内で子どもにしつこくされることは苦手です。子どものいる家庭では、ケージやクレートなどのテリトリーを用意してあげましょう。
また、ビーグルは集団行動をする犬なので、留守番は非常にさびしがります。子犬の頃からケージやクレートに慣らすことで、分離不安症防止に役立ちます。
短毛で毛の手入れは楽です。週に1度くらいブラッシングをしてあげるのが良いでしょう。
ビーグルの毛色
ビーグルはトライカラー、レッド&ホワイトがあります。しっぽの先が白いものが好まれています。
ビーグルの気を付けたい病気
ビーグルは、椎間板ヘルニアの好発犬種として知られています。
首から腰までの背骨のどこかで、骨と骨のあいだに挟まっているクッションのような働きをする組織が壊れてしまい、神経を圧迫します。
大変な痛みを伴うことが多く、神経の圧迫により足腰を動かすことができなくなります。
また、太って体重の重い場合は、重さの負荷により発症しやすくなることも知られています。
ある日突然というよりは、少しずつすり減っていくものなので、若い犬より中年齢以上の犬の発症が多くあります。最近散歩を嫌がる、座り込む、そういえば太った・・・といった様子があれば、動物病院を受診しましょう。
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)は、ビーグルでは起こりやすいとされています。
腎臓の近くにある副腎という臓器が出す副腎皮質ホルモンが過剰に放出されるため、多飲多尿、多食、肥満、脱毛、色素沈着、筋力低下などの症状が起こります。
これだけではただちに命の危険とは言えないため、気づくのが遅れてしまいがちですが、免疫力が低下する病気のため、放っておくとちょっとの病気にも抵抗できなくなります。皮膚が破れやすくなり、皮膚から細菌が体内に入ったり、筋力が低下し過ぎて歩けなくなったり、ついには起き上がることもできなくなります。
終生の投薬が必要になりますが、発見が遅いと薬を与えても回復しない場合があります。6歳以上で起こることが多いので、中年齢になったら日頃の生活状態について、よく観察してあげましょう。
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