ボルゾイの特徴
ボルゾイは流線型の骨格に長い口先の頭蓋骨を持つ、大型で垂れ耳の長毛犬です。
細くともがっしりした骨格と筋肉を持ち、優雅な歩様を見せますが、走り出せば非常に早く、強いあごは獲物をしっかりと捉えます。
理想体高はオス75~85cm、メス68~78cmとされています。
ボルゾイの性格
ボルゾイは室内でリラックスをしている時などは、優雅で落ち着いており、さりげなく人のそばにいることが好きな犬です。
しかし、外に出ればサイトハウンドの血が騒ぎだし、通りかかる小動物や時には他犬に対してまで、猟欲を見せることがあります。
本来は好奇心が強く遊び好きなので、きちんとけじめをつけないと、遊び相手を格好の獲物としてしまうため注意が必要です。
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ボルゾイの歴史
ボルゾイの先祖犬は諸説ありますが、かなり古い時代のサイトハウンドと、ロシアに土着していた猟犬の交雑であるとされています。
11世紀、フランス王アンリ1世の再婚相手として嫁いだロシアのキエフ大公の娘アンナが、嫁入りの際に連れていた3頭の護衛犬は「ロシアのグレイハウンド」と呼ばれ、その容姿はボルゾイによく似ていたと伝えられています。
13世紀頃の初期のボルゾイはウサギ狩りの猟犬でしたが、所有者の王侯貴族らが大きな獲物を狙うようになると、ロシアン・シープドッグなどを交配して大型化され、オオカミ狩りの猟犬としても働くようになりました。
オオカミ狩りでのボルゾイたちは、ハウンドドッグとして狼を追及するだけでなく、2~3頭1組で狼に襲い掛かるほど勇敢であったと伝えられています。
以降、ボルゾイは「ロシアン・ウルフハウンド」の名で呼ばれるようになり、王侯貴族のあいだでのみ飼育されることが許される高貴な犬となりました。
1650年、ロシアでは狼狩りについての書物の中で、ボルゾイの最初のスタンダード(犬種標準)に言及されたようです。しかしこの当時はまだ、ボルゾイには大きさや毛色、骨格などの特徴が異なるいくつかのタイプがありました。
やがて1917年にロシア革命が起きると、諸外国での歴史がそうであったように、王侯貴族の飼育する高級な犬であったボルゾイたちは、封建国家の象徴でありぜいたく品であるとして殺されてしまったとされています。これについては別の話として、愛犬が共産主義者の手で殺されることを恐れた貴族たち自らがとどめを刺したというエピソードも伝えられているようです。
迫害されたボルゾイを復活に導いたのは、ロシアからイギリスやアメリカの上流階級に贈られていたボルゾイたちの末裔でした。イギリスには1組のつがいがビクトリア女王に、また1組を後にエドワード7世となる皇太子に贈られていました。その優雅な美しさがドッグショーで評判になり、エドワードの妻、アレクサンドラ王妃はとりわけこの犬種を気に入っていたと伝えられています。1892年にはボルゾイクラブが設立され、アレクサンドラの命によりニューカッスル公デューク氏夫妻が初代の総裁につきました。
イギリスケネルクラブへの登録は1914年でしたが、アメリカンケネルクラブでは少し早く1892年頃に登録されています。この当時の登録名はまだ「ロシアン・ウルフハウンド」でしたが、1936年になってボルゾイと正式に改められました。
現代のボルゾイたちは、美しく高貴な姿で世界中のドッグショーに出陳されているほか、ルアーコーシングを使ったドッグレースで使われるなど、ハウンドドッグとしての性質の保存も行われているようです。
ボルゾイの飼い方
ボルゾイは運動量の必要な大型犬で、毎日1~2時間以上の散歩が必要です。
環境が許すなら、ドッグランなど疾走できる場所へこまめに連れ出してあげたいものです。
しかし、逃走すれば短時間でかなり遠くまで行ってしまう足の速さですので、囲いのない所でオフリードにすると大事故になりかねないことに留意しておく必要があります。
跳躍力もあり、1mくらいの囲いなら簡単に飛び越えてしまいます。
家族に対して愛情を持ち、子どもに対しても穏やかに接するものの、遊び好きな面がエスカレートしないように注意が必要です。
賢く、訓練性能は良いものの、プライドの高い面がありますので、子犬の頃からしっかりとしつけをし、飼い主は犬に信頼されるリーダーシップを持つ必要があります。
長毛のダブルコートなので、ブラッシングは週に2~3回以上は行ってあげたいものです。
ボルゾイの毛色
ボルゾイはホワイト、ブラックの単色、レモン、レッド、シルバー、ゴールド、セーブルとこれらとホワイトの組み合わせ、ブラックとホワイトの入るトライカラーなどがあります。
マールカラーは公認されていません。
ボルゾイの気を付けたい病気
ボルゾイは純血種としては比較的遺伝病は少ない方ですが、皮膚疾患と眼病にはかかりやすい傾向があります。
網膜形成不全は、この犬種ではボルゾイ網膜症とも呼ばれ、先天的に網膜の形成が不全となります。
さらに進行性網膜萎縮症(PRA)という、網膜が萎縮していく疾患も好発犬種とされています。
また、白内障も起こりやすいとされていますが、ボルゾイの場合は片目だけ発症ということが時々あるようです。
ほかに、大型犬に起こりやすい甲状腺機能低下症及び内分泌の疾患による皮膚トラブルや、胃捻転、股関節形成不全、拡張型心筋症なども起こりやすいとされています。
ボルゾイの里親募集
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